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私道は誰のものですか?

 

今回は、少し前のはなしですが、テレビ報道やネットニュースなどで、話題にもなりましたが、神戸市北区のとある既成住宅地で起こった個人所有の橋についての問題を取り上げさせて頂きます。

※ちょっと今更感がありますが…


そこは、主要道路から川を挟んだ先の山を切り開いて形成された住宅地になるのですが、昭和時代に宅地造成され30軒ほど戸建が建ち並んでいます。


そして主要道路と住宅地の間には川が流れているため、生活するためには橋を渡る必要があるのですが、今回、その唯一の橋が、突然通行止めになってしまったようなのです。



理由はというと、実はその橋は個人名義で所有されており、橋の老朽化に伴い封鎖したとのことです。


橋の所有者は、維持補修のため、同じ住宅地にいる各世帯がお金を出し合って橋を買取ってもらう提案や、通行量として毎月2万円の請求などをされたようなのですが、住民としては、今まで無償で利用し、ましてや橋は当たり前のように公共のものと認識していたようなので、突然の提案に反対し、結果として争うことになってしまったようです。


このニュースは、ネットでもたくさん出てきますので掻い摘まんでの説明とさせて頂きますが、気になる方は、「神戸市北区 橋 通行止め」などで検索してみてください。


 唯一の生活ルートである橋が、個人所有ということにも驚きですが、今の所有者が購入した経緯や意図が気になるところです。


もともとは、その住宅地を当時開発した事業者がその当時、神戸市への寄附を行わずそのまま所有し続けていたようです。そこから何度か所有権が移転し、今の所有者が数年前に当該住宅地の一画と一緒に橋を購入したようです。


なので今の所有者も橋の老朽化(リスク)については購入段階である程度把握し購入したのかと思いますが、購入当時の経緯が分からないのでなんともいえないところです。


今回、橋という構造物が個人所有ということで珍しい事例となりましたが、私道という点で考えると、今でも、こういった事象は結構見受けられます。


大体、私道というのはその道を通らないと公道に出ることが出来ない関係者が所有している(共有持分や私道負担等)ケースが一般的なのですが、宅地開発等で新たに作られた私道などは、今回と同じように、その宅地を購入した方々に私道の名義を移さず、その当時の事業者がそのまま何十年と保有していることがあります。


私も、数多く不動産調査をしてきましたが、昭和40年代ぐらいに作られた分譲宅地に多く見受けられます。(地域によって集中していることもあります。)


そういった場合、普段は無償で当たり前のように生活道路として使用していたとしても、その道路に埋設されている上下水道管等の工事を行う場合は、その道路所有者から道路掘削の承諾を取らないといけません。


さらにその道が悪意のある人の手に渡ってしまうと、通行料の請求や上記承諾事項の拒否等、思わぬ問題が発生してしまう可能性もなくはないです。

その他にも複雑に権利が入り組んだ私道も存在します。


昨今の開発地については、その道路の関係者できっちり持分が配分されていたり、予め不動産業者にて私道についての協定書を設け、そのまま次の購入者が承継出来るようにしていたりして権利関係についても整備されていることが多くなっています。



もし、今所有されている不動産で私道があり、その権利関係があやふやな方は、これを機にまずは

調査し現状を把握されておくことをおすすめします。前面道路だけではなく公道に至るまでの道が

重要となります。



気になる方は、弊社までまずはご相談くださいませ。



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